花も散り始めた頃。
吉野は満開を迎える。







桜それぞれに想いを込めて。












春の始まり。

















新緑の伊吹。





  




山に登る。




















最後のソメイヨシノが、






ずっと続く、吉野の里の人々が迎えてくれる。











黒門をくぐって。



下界とさよなら。



















鳥居に必ず、さわっていきなさい。





案内爺さんの伝言。





日の光を浴びた部分は暖かく、
影は冷たくて気持ちがいい。





蓮の花の台座?。


 


そう、この鳥居は大仏様。



奈良の大仏様の残った銅で作った鳥居。

極楽浄土の蓮の上に建つ鳥居。



























君の通学路は、歴史の参道。















毎日、桜に見送られて大きくなる。












山のあちこちに育つ桜。







 





歩く道を教えるように。







昔から、一本一本、人々が植えた。







みんなの願いを込めて。






人目千本。








桜があふれるのそのわけは。

















石段の先にある。



  


  


金剛蔵王権現様。





未来。過去。現世。三世にわたり衆生を救済する仏様。


釈迦如来、千手観音、弥勒菩薩が人の目で見れるように権化した姿。






役の行者がこの山の奥の院で感得し、

桜の木でその姿を彫った。

第三の目ひらき、悪を打ち砕く忿怒の表情、

そして、今まさに天に向かって飛び出そう足と腕を振り上げた瞬間の姿を。




 






そして、桜の木を、

願いこめて人々が御神木として植え出した。







桜を仏に供える気持ちで。





その想いが、吉野を包む。
















吉野で出会う。


















色々なものは、













花見のような華やかさ。

















でもその桜は、

灯篭のように、仏花のように、

ひそやかに意味を持っている。







  










 





登るたびに発見があり、






登る度に出会いがある。







 



 

葉の茂る山桜の色。










  
















 






甘茶のふるまい。

 










柔らかな春の日差し。


 















献木は続き。





振り向く度に

蔵王権現様が見える。





昔、登山道の入り口で配られて、
それぞれの想いを込めて持ち上がった苗木は。


  


思い思いの山肌で大きくなって。





千本桜となる。






下千本。



中千本。




上千本。








  



奥千本。






それは足して四千本ではなく。

一目見た範囲でも、千本あるということ。





 


山中に広がる、





数え切れないほどの桜という意味。

















綺麗なお姿の玉依姫命のいらっしゃる神社。





























































かわいい子供に育ちますようにと、 願うという。





















































山道を行く。



  




登山の人々と挨拶を交わす。








修験道で使われている道は続いて。










 



空気の違いに



 


山の強さを知る。



 


ああ、この先の大峰山で、役の行者は



天に向かい飛び立つ、蔵王権現と出会ったのか。

宇宙を知ったのか。






現在。過去。未来を体得したのか。

















遠い昔。

蔵王権現様のように強く。
桜のように綺麗にと、



 


子孫の為に願いをかけて、おじいさん、おばあさんが植えた桜。
















桜を植えた大昔のおじいさん、おばあさんは、
キット今のあなたと何処かで、つながっている。





たとえ遠い遠い先祖だとしても。









一片一片意味を持つ花。









旅の終わりに。






 











持ち帰ったものは。








一枚に込めた願い。








今まで生きて来た人の数より多い、桜の花びらにこめられた願い。









一本一本探して見て行けば。













あなたの為に植えられた桜は、きっとここにある。
















「ただいま、元気だよ」と吉野の桜に挨拶して、


誰かが、つなぐ願いをまたかけた。






今年の探し物が、一つこの手の中に。


それは、じいさん、ばあさんのくれた「時代を超えてつなぐサクライロ」。















Thank you for comment.







金剛蔵王大権現さまのお姿は、撮影禁止ならびに秘仏としてご開帳されていません。
先だっての御開帳時のお姿はこちらよりご覧になれます。
金峯山寺