2002年01月10日(木) 持久走

逆風の堤防を、自転車で大阪市内まで向かう。

河口からの風の抵抗は、坂道にまけないくらい強く、
自転車ごと押し戻されるようだ。

いつか兄に聞いた、身体をコンパクトにして早く走り、
減速時は身体を起こして風を受けるという事を
25年の時をこえて思い出した。

貨物線路橋の横にある歩行車用の橋を渡る。
木でできた橋がきしんでいた。

川は流れに逆らうように吹く風に表面が逆流したように波打ち。
どちらが、下流か分らない程。

橋の上の自分を中心に見れば、橋が流されているようにも感じる。

堤防はやがて、公園へとかわる。
散歩の人も多くなりスピードをゆるめた。

近くの高校生が持久走をしている。
一生懸命走る生徒も、歩く生徒もいた。
思えば、俺も持久走は大嫌いだった。
でも持久力があったのか、悪い成績ではなかった。

でも心の何処かに引っ掛かって、自慢できるものではない。

先生がタイムを計っている。
俺はその横を持久走で走るような早さで過ぎて行った。

学生時代は、いったいなんの為にやるのかわからなかったのだ。

大嫌いな俺が今、自転車に乗ってからは、
「走ってもいいかも」と思っている。
また、昔は実家の前の坂道が嫌で仕方なかった。
でも今はそれが楽しく感じる。

その気持ちがないと意味がない。

心の引っかかりは晴れた。


日は代わり、朝の仕事終わりで今度は上流へと帰る。

お天気おねいさんが言うように、強い風はなかった。

しかし、自転車でいきなりここまで
走れるとは思わなかった。
もう、一週間で200キロも走っている。

次第にスピードがあがる。
ギヤが足らないくらい気持ちいい。
アベレージがのびる。

ススキの穂がゆれた。

いつの間にか吹いていた追い風が、俺の背中をずっと押していた。

逆風には敏感だが、追い風にはなかなか気がつかなかった。

あの日の持久走が、毎日登った実家の前の坂が、
今、走る筋力になっている事に、
気がつかなかったように。





かぶんの日記より

戻る