2002年03月20日(水) 100円分の想い出

高槻〜西陣〜嵐山〜高槻〜箕面94Km

 ロードサイクルは北に向う。
 そして、菜の花の道を選んだ、堤防に黄色いものをみたからだ。
 誰も時間を教えていないのに、今年も花が咲き始めた黄色と緑の道を。

春は一週間早く始まった。
京都の川沿いの大学の卒業式から帰る
もう女子大生ではなくなった彼女達の横で、
早い桜が咲く。
この花が散る頃には、社会に出て行っていることだろう。

俺も母校の前に向かう、小さい頃の想い出が蘇える。
この小学校の校門から、母親に連れられて入学式に出た、
今はもう学校としては使われていない校舎には、
音がなかった。
ただ、まだ咲かないつぼみの桜が当時のまま立っていた。

今日は昔の実家の織物の町までやってきた、
実家の墓がここにまだあるからだ。
2年前に他界したばあさんに線香を上げにロードサイクルでおとづれた。
いろいろな想い出は、話していては日が変わるほど。
思い切って手を会わせた。

帰り道、子供達を見つける。
そこには一軒の駄菓子屋がある。

おばあさんはやさしいままだった。
大人の俺に値段を説明してくれる。
100円分買って出て行く。


歩道橋を見て思い出した。
ここは、30年ほど前引越しの前の日、
近所のワルガキといったのだ。
しんみりと、駄菓子を食べながら歩道橋を渡った想い出が蘇える。

そして、引越しの日、ワルガキは家の前に来た。
駄菓子屋に行く所で、見送りに来たのではないと説明して駆け出した。

そして、歩道橋に走っていく、ただ泣きながら
バイバイと言う言葉を残して。



最初の親友との想い出の駄菓子屋で買った駄菓子を、
今の仲間たちに配る。

たった100円分の思い出を秘めて。

かぶんの日記より

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