15年前は仕事の泊まりで
朝飯なんてゆったりと
食べれる環境じゃなかった。

















舞鶴。8AM。







時間が3時間空いたので。

散歩に出た。











レンタル自転車なら、たしか、向こうの自転車屋にあったよ。









病院の横の自転車道をまっすぐに行けば、

海に出るよ。


 











煉瓦倉庫。



 








地下通路を渡ると。





 


そこだけ時間が止まっている。

さっきのトンネルがまるでタイムトンネルのように思えた。






  







今日の相棒ちょっと待ってナ。

  






明治35年は海軍の兵器庫だった煉瓦倉庫。

  



今は災害用の備蓄倉庫になっている。


    







    


    



 



















煉瓦倉庫を過ぎると市役所と警察。
そして、港がある。
プレジャーボートがあふれる港の奥に、
ひっそりと海上自衛隊の船が浮かんでいる。






おじさんの話によれば、
これは掃海艇。


戦いに向かう戦艦ではなく、守る船。
海上自衛隊では、「機雷(水上の地雷)」の撤去を
目的としたこのタイプの船を
一番多く所有している。


  





戦いが終わっても残ってしまう「機雷」は、
ずっと海の上で朽ち果てるまで、不特定多数の命を狙う。
船がさわって爆発するだけではなく、磁力や、音で反応する。
人の戦いが終わっても、終わらない破壊だけを教えられた機械。





    


海の掃除をする船は、
日本だけではなく海外へも撤去に向かうという。
作業中は爆発の危険に備えて、甲板で食事をする、
一切船内に残っていてはいけないのだ。

危険と過酷。そして、物悲しさ。

このような船が出動しない事が、何より一番なのだろう。





























海へ向かう。



  





  


海辺をなぜか東に向かった。

     
まるで呼ばれたように。

















風はなく。






あれ?

    

 







この景色?

見覚えがある。

  


漕艇場。






昔ここに仕事で来た。







まだ、取材をしていた頃。

 



覚えてる。









あの時の怖かったカメラマンはもう、この世にいない。

夜は、飲み屋で暴れて。



でも、腕前はよくて。


まだカケダシだった我々には海の上の取材は辛く、
でも、いい仕事だった。











あのときのアシスタントも、そして俺も、あなたと同じくらいの年齢になってしまって。




すべてがいい思い出になっています。



今は飲んだくれて

あなたの「この街での話」をしています。





















  

「雨が来るよ!急いでかえらナ」


おばさんたちは立ち上がった。








雨???



    
  



雨が?


晴天なのに???



海のにおいも、雲も変わらないのに?




































漁師のお母さんの勘は、必ずあたる。







観天望気。



自然現象から天気を予測する、
海で生きる人の知識。



夕焼けは晴れ。

オボロ月は雨。

そして、










自転車ごと

マリーナの倉庫で雨宿りさせてもらう

一応これでも船舶免状持ってるんだけど。。。

「最近海に出ていないから
ぜんぜん天気読めなくなってしまって。」

と笑いながら、整備士のおじさんと船の話。




ホントは

海に行かなくなったんじゃなくて、
取材で外を歩くことがなくなったからかもしれないナ。







































もう、小雨の帰り道。




タイムトンネルを抜けて。



  





現実の中で、


タイムマシンとなった
自転車を返した頃。





 

雨が上がる。



400円の時間旅行も終わる。




























15年ぶりの港街は。








記憶の中とは少し違った。



でも、

さっき、であった煉瓦倉庫でさえ。



  

 ピンポールの写真のように、


だんだんぼやけて。










もう、思い出になってしまった。



















雨さえ

ホントにいい思い出になってしまいました。

















ホテルに戻ったら、



やっと朝食をとっていた仲間に

ずぶぬれの服を笑われながら、


着替えて仕事に向かう。





この街で、あなたの

「この街での話」をしながら歩いた。






観天望気が下手になったと気がついた日に。








ご感想ありがとうございます